2015年9月8日火曜日

北海道勤医協 総合医・家庭医後期研修プログラム

1.投稿者名佐藤 健太(さとう けんた)

2.指導医名臺野 巧(だいの たくみ)


3.後期研修プログラム名、もしくは診療科名北海道勤医協 総合医・家庭医後期研修プログラム
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4.主たる病院の住所
007-8505北海道札幌市東区伏古102丁目15-1


5.目標としている研修修了後の医師像
「患者さん中心の基本的、総合的な診療能力(主治医能力)を獲得する」1.患者さんを身体的、精神心理的、および社会的側面から全人的に理解し、患者さんや家族と医療の目標を共有する
2.総合性を重視した、医学・医療の基本的な知識・技能を修得する
3.一人一人の患者さんや家族に応じて問題解決を指向する視点を獲得する

「患者さんの立場に立つ民主的集団医療を実践する能力を獲得する」

「医療の社会性を学び、医師の社会的役割を自覚し、街づくりや医療変革を追求する視点を獲得する」


6.スタッフ&レジデント人数(うち、女性医師数)
スタッフ :中央病院3名、札幌病院2名、月寒医院診療所2名(うち、女性1名)
レジデント:後期研修1年目6名、2年目1名、3年目1名(うち、女性1名)


7.当直
35

8.当直明けの帰宅の可否


9.診療科独自の病床の有無
有、40

10.具体的な研修内容紹介
後期研修1年目
勤医協中央病院の総合診療病棟での研修を主体とする。
隣接する診療所での内科外来研修、訪問診療研修も行う。
3ヶ月程度の救急外来ブロックローテーションでの診療および研修医教育も行う。

後期研修2年目
小児科(ヶ月)の病棟外来研修を必修とし、その他整形外科、皮膚科、精神科の外来研修を選択とする。
残りの期間は北海道民医連に所属する地域中核(中・小規模)病院または診療所での研修を行う。

後期研修3年目
北海道民医連に所属する地域中核(中・小規模)病院、または診療所での研修を行う。

3年間を通しての重点項目
<病棟研修>・内科全領域の症例を幅広く経験する。
・各検査手技のトレーニングを行う(上部消化管内視鏡検査・腹部USUCG・骨髄穿刺・CVカテーテル挿入など)
・初期研修医の指導に参加しながら、医学教育学・成人教育理論の基礎を身につける。
・病棟運営会議に参加して、病棟運営や病床管理に関わる。
・緩和ケア病棟の終末期患者や、ICUの重症症例も担当する。

<外来研修・その他>
1年間を通して外来診療単位を担当し、定期通院する患者の継続した診療にあたる。
・救急外来・当直・外来などの場面で自ら診療を行い、また初期・後期研修医の指導にもかかわる。
・複数の地域の、様々な規模の医療機関で研修を行うことで、地域・施設による医療要求との違いや診療内容を理解する。
・地域住民向けの健康相談会や研修医・学生向け学習会などでの講師活動を行う。
・希望により訪問診療単位を持ち、継続して往診患者の医学管理を行う。
ACLSチーム・NSTICT・緩和ケアチーム・褥創管理チーム・倫理委員会など、部署横断的な委員会に参加し、チーム医療や組織運営を学ぶ。
・学会発表(最低でも地方会1回以上)、論文執筆(症例報告など)を行う。


学習・振り返り

・研修医・指導医がともに月1回の全体学習会(二木会)に参加し、ポートフォリオ作成指導や Significant event analysisSEA)、家庭医療学の理論などの学習を行う。
・ポートフォリオ作成指導は、メーリングリストと月1回の学習会を活用して上級医・指導医が集団的に行う。
・「指導医・研修医メーリングリスト」を活用し、研修医と日常的な情報共有、意見交換を行う。
・北海道勤医協 総合診療・家庭医療・医学教育センター(GPMEC)を中心に、研修医の指導やスタッフの教育、プログラムの充実に努めている。

評価
・月1回、後期研修医と指導医の振り返りや勉強会の場である 通称二木会にてポートフォリオ発表やSEA形式での事例発表などを行い、同僚、指導医からフィードバックを受ける。ポートフォリオは、日本プライマリ・ケア連合学会家庭医療専門医認定審査に求められている20事例以外に、独自の領域を加えて行う。
・各ローテーション先での多職種による360度評価を行う。
・通常は6ヶ月毎に形成的評価を行い、プログラムの最後に指導医が総括的評価による修了認定を行う。


11.勉強会やカンファレンスの開催曜日・時間とその概要
<毎週のルーチン>
■新患プレゼンテーション 毎朝9:10-10:10指導医・後期研修医の司会のもと、研修医が前日受け持った症例を1-2例プレゼンテーションを行う。
プレゼンテーション自体に対するフィードバックから始まり、症例のアセスメント/プランに対するディスカッションを行う上で、参加者の共通の知識を高めるとともに、その症例の今後の方針を導きだす。
ファシリテートスキルに対するフィードバックも受ける。
syokai01コアレクチャー 火曜日7:15-7:45後期研修医以上が初期研修医向けに主要症候やコモンディジーズについての対応などを1年間で系統だってレクチャーしていく。
プライマリ・ケア・レクチャーシリーズ参加 水曜・木曜日7:30-8:00札幌医大地域医療総合講座が主催するネットカンファレンスに参加。年に数回は後期研修医以上が講師を行う。

グループカンファレンス 週1回グループ(指導医1名+後期研修医2名+初期研修医数名)で担当している全症例について、情報の共有・今後の方針の議論などを行う。

<月1回のイベント>臨床倫理4分割法を用いたカンファレンス 月曜日 14:30-15:30後期研修医の司会のもと、医学的適応(M)、患者の意向(P)QOL(Q)、周囲の状況(C)4点について医師・コメディカルを含めて話し合い、最終的にその患者にとってベストと思われる方針を出す努力を行う。
ヒヤリ・ハットカンファレンス 第一金曜日 15:15-16:15研修医が当直などでヒヤリとした症例について、指導医相談しながら疾患・症候のエビデンス検索と研修医の内面の振り返りを行いながら1ヶ月かけて発表準備を行う。
当日のカンファレンスはクイズ形式で行い初期研修医の診断推論能力を伸ばし、その後文献的考察、クリニカルパールの紹介を行う。
corerec_01SEA(Significant Event Analysis) 第二金曜日 15:15-16:15研修医が心を大きく揺さぶられた事例をテーマに、感情面に焦点をあて小グループで振り返りを行う。振り返りを元に、今後のNext Stepを導き出す。

リエゾンカンファレンス 第四金曜日 15:15-16:15精神科医師を招き、病棟でよく遭遇する精神的な問題(うつ、せん妄、不定愁訴など)についてのレクチャーや、具体的な事例の病態・方針の検討を行う。

KCH ジャーナルクラブ 月2回 金曜日 17:30-後期研修医を中心に、最新の文献を批判的に吟味し、日常診療に生かす方法を学ぶ。

二木会 月1回 土曜日後期研修医・指導医が病院から離れた場所で、半日かけて振り返りやWS形式での勉強会を行っている。全道に散らばった後期研修医も参加保証されている。


12.今後の目標(個人でも、プログラム全体でも)
作成中…


13.その他(病院や土地について自慢できること等なんでも):
土地柄
中央病院・札幌病院は札幌市内にあり、買い物・観光・子育てなど生活に困ることはありません。また地方の中小規模病院・診療所では、北海道各地の豊な自然や、地域による文化・医療の違いも学べます。

研修環境
研修医にやさしい研修環境も自慢で、年2回の長期休暇取得や、当直明け保障、自身や家族の体調不良時に業務を補いあい休みを取れる工夫を積極的に行っています。

研修評価は特に力を入れています!!

・勤医協版 modified mini CEX
clinical skill assessmentとして、夜間の救急外来というセッティングで模擬患者の問診診察検査オーダーから結果の解釈・アセスメント&プランまでを詳細に評価するもので、終了後即座にフィードバックします。
360度評価
医師だけではなく、コメディカルからも研修医評価を行ってもらう方法で、アメリカの卒後臨床研修を監督する組織であるACGMEAccreditation Council for Graduate Medical Education)の6つのコンピテンシーを参考に評価項目を設定しています

SNAPPS法を用いたER指導
後期研修医も希望によりER指導医として初期研修の指導に当たります。SNAPPS法は忙しい救急外来でも短時間で指導を行いながら、診断推論能力を伸ばせるツールとして開発され、RCTで効果が確認されている。これを用いてER研修指導を行っています。


14.見学・研修希望者のための連絡先メールアドレス勤医協中央病院 医師研修課課長 中井 貢(なかい みつぐ)TEL     011-782-9111e-mail     kensyu.nakai@gmail.com

15.病院や研修プログラムのWebサイト(ホームページ・ブログ・Facebookページ・Twitter等)http://www.kin-ikyo-chuo.jp/old/ke_kateisogo.html

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